いわき市石炭・化石館ほるる・ジョウバンセタス・パシフィカス

AW-025(2023.3.2)

■ご当地:福島県 いわき市

■鯨 種:ジョウバンセタス・パシフィカス(和名:ナカヤマコウヨウクジラ)

ジョウバンセタス・パシフィカスは、福島県いわき市の約1600万年前の地層(南白土層)から1995年(平成7年)に発見されたクジラ化石です。

このクジラ化石はいわき光洋高校近くの道路工事現場で見つかり、頭部から腰部までの骨がまとまって発掘されました。和名は、化石が産出した地層名と場所にちなんで「ナカヤマコウヨウクジラ」と付けられました。

その後の研究により、ヒゲクジラ類の新属新種の化石であることが判明し、2022年の論文で「ジョウバンセタス・パシフィカス」という正式な学名が付けられ、記載発表されました。この学名は、ラテン語で「太平洋に生息していた常磐のクジラ」という意味です。

ジョウバンセタスは、福島県産の新種とされた哺乳類化石の中では最古、県内で発見された鯨類化石としては初の新属新種となります。現在のナガスクジラなどを生み出した原始的なヒゲクジラ類に位置づけられ、クジラの進化を考えるうえで重要な化石です。標本は現在、いわき市石炭・化石館に収蔵されています。

 ジョウバンセタスのキャラクターは、“ジョウバン”というワードを活かし、いわき市がかつて“常磐炭田”の中心地として石炭産業が盛んだったことから、“炭坑夫”をモチーフとしています。

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